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オーベルジュとは宿泊設備のあるレストランのことを言います。レストランがメインで、美味しいフレンチとワインを楽しむ、そんな素敵なお宿が日本にも増えてきました。 しかし、ペットと共に宿泊できるオーベルジュはそう多くはありません。愛犬は大切な家族の一員、お留守番させるよりは一緒に連れていきたいと思う飼い主さんは多いでしょう。ご夫妻の特別な日に、愛犬も共に旅先で美味しいフレンチとワインを楽しみ、そのまま宿泊できるなんて最高ですよね。
STAY WIHT DOG にご登録下さったお宿様のなかで、オーベルジュを何件かご紹介しましょう。 ご夫妻の特別な記念日は、犬連れを受け入れて下さるオーベルジュで過ごされてみてはいかがでしょうか? (LIVING WITH DOGS)

オーベルジュ・アンドラ・モンターニュ (新潟県・石打塩沢)
【注】 2006年1月19日から犬同伴の受け入れは行っていません。
新潟県塩沢にあるアンドラ・モンターニュさんは、以前は東京渋谷にある「ビストロ・アンドラ」のシェフでした。食にこだわりワインにこだわった末、塩沢に転居しアンドラ・モンターニュを開店しました。 シェフは塩田さん、自称熊おやじ、熊シェフです。
熊シェフにインタビューしてみました。
LWD : 熊シェフのお料理のこだわりはなんでしょうか?
熊シェフ : 渋谷で22年間フランス料理をやってきた僕のこだわりは「素材との対話」です。力や技術で素材をねじ伏せた料理ではなく、合わせるワインと3人?(笑)で話し合って3人とも喜ぶ料理を造ることが、結果的に「食べ手・飲み手」としてのお客様も喜ぶ事になるんじゃないかと思います。力を合わせて「せーの」ってやると重たい物も持ち上がるじゃないですか、そんな感じの料理を造ってますね。
LWD : アンドラさんの地下にワインセラーがあるとお聞きしましたが、ワインへの思い入れを語っていただけますか?
熊シェフ : フランスだけにかかわらず、ワインを産出する国全てがその国の料理とワインとの相性を話題にします。切り離せないのが「料理とワイン」だと思います。それゆえ料理人としてワインを知るのは当然です。子供の学資保険解約してワイン買って飲んでましたね(笑)とにかく飲みまくりました。前の自宅にもセラーはあったんですが塩沢で増長しました。約3千本のうち、いま熱愛中のオーストリアワイン(ラリアじゃないです、リアですよ!)が3割フランス6割ってとこですか。百聞は一飲に如かず?飲みに来ませんか「リア」のワイン!
LWD : 犬連れ可とされた理由を教えて下さい。
熊シェフ : 僕もうちのマダムも「犬好き」だし、うちにも2匹いるし、断る理由がないじゃないですか。ただお客様の中には「犬がダメ」という人もいらっしゃいます。そんな時STAY WITH DOGS のマナーとルールを読んで「僕が言いたかった事はこれだ!」と思いました。素晴しいです。僕にとっては犬好きも、犬ダメもどちらも「大切なお客様」であることは間違いないのです。人と人との関係を一番大切にしたいのです。

アンドラさんは、犬連れ専門宿ではありません。犬用設備はありません。人が美味しく楽しく、ほろ酔い気分のまま寝床に直行していただきたいということがコンセプトです。愛犬はお部屋でお留守番となります。
[続編]アンドラ・モンターニュを訪ねて
アンドラ・モンターニュさんは、この1月末で犬連れをお受けしないことになりました。こちらは、オーベルジュですのでお料理とワインに定評があります。
お昼過ぎに東京を出発、犬無しですから、当然、新幹線を利用して車中の旅です。トンネルを越えるとそこは銀世界です。塩沢石打の駅に到着。アンドラのオーナー、熊オヤジさんがにこやかに出迎えて下さいました。
道路の両脇は3mの雪の壁です。あっと言う間にMt.グランビュースキー場の横にあるアンドラ・モンターニュに到着です。ゲレンデ前の駐車場から、スキー場を横切り、1階は完全に雪に埋もれた建物に向かって歩きます。ほんの数歩なんですが、いかんせん、ズボズボの雪、熊オヤジさんの足跡を追ってついて歩きます。
さて、アンドラさんは2004年12月に渋谷のアンドラから熊オヤジさんが独立して、この石打にオーベルジュを立ち上げました。
これまで、何度となく、お電話で話していましたので、とにかくまずは行ってみたいと思っていましたが、愛犬の体調が悪く、介護の状態でしたので行くにいけない状況でした。そうこうしているうちにアンドラさんは犬連れを中止され、わが家は偶然にも、愛犬が入院中であることで、今しかないと思い切って予約したのです。
最大の楽しみは、地下にある3000本のワインとのご対面と、またおすすめのオーストリアワインを熊オヤジさんと一緒に飲んでみたいということでした。
地下のワインセラーは、適温、適湿と完全な状態で保管されていました。ワインラックは熊オヤジさんの手作りの棚板で1本1本出しやすく整理され、ここはオーストリアワイン達、ここはボルドー、ここはブルゴーニュ、5大シャトーはここ辺り、と熊オヤジさんから説明を受けながら、今晩のいただくワインの品定めです。
ボルドー右岸、左岸、ブルゴーニュ、ローヌ、オーストリア等豊富なワインを見せていただいて、結局、オーストリアワインの珠玉のニコライホフ・エリザベート 1995と、もうすぐ瓶熟成20年を経過するボルドーの女王の CHマルゴー 1987 の二本に決定しました。
さてお待ちかねの夕食です。今晩は、私たち夫婦だけの貸切。キッチンの横のテーブルに熊オヤジさんが料理を作るのを見ながらおしゃべりしながらセットされています。7時にスタートしました。
まずは、オーストリアワインのブリュンデルマイヤー・ブリュット 2002 (泡白ワイン)で始まりました。甘みと酸味のバランスが良く、フルーティーでうまいです。
お料理は、アミューズ、健さんの牡蠣2種です。
健さんは広島の牡蠣生産者で、この方の牡蠣に熊オヤジさんが惚れて仕入れているそうです。
生牡蠣ですが、なんとも素材を活かした素晴らしい味わいです。もう一品は殻毎蒸したもの。発泡酒と良く合います。そしてエリザベートの登場。
このワイン、オーストリアの無農薬、自然農法で何百年も前から作られている白ワインです。白ワインというとちょっと甘めで酸味があって飲みやすいのですが、私たちは、これまで、エリザベートのような珠玉の白ワインに出会っていなかったのだと思いました。この95年の白ワインはゴールドに輝き、喉に通る飲み心地は、適度な酸味としゃきっとした質感、そして香りはフルーティーでありながら、深みのある重量感なんですね。特筆すべきは、どめどもなくわき出る白ワインの熟成香でこれはすごいワインでした。熊オヤジさんがおすすめするワインに思わず納得してしまいました。
次のお料理は能生の甘エビのピカタ。これもエリザベートにぴったりのお料理です。
そして、能生の真ダラのムニエル白子添え。エリザベートはますます重厚感を深めていきます。カボチャのスープ(カボチャの種、カボチャのオイル)。 フォアグラのムース、クルミ添え。
マルゴーは4時から抜栓して、合う料理にちょうどワインが花開くように待機しています。 エゾ鹿のカルパッチョ、マルゴーの出番です。
一口目、まだ早いの一言です。87年ですから、若いと言うことではなく、抜栓してまだ花開かないと言うことです。ワイングラスをまわし、また一口、徐々に変わっていきます。この頃になると、もうおしゃべりも止まらず、時間をみたらもう夜10時過ぎです。
そして口直しの洋ナシのソルベ。
メインの子羊の骨付きロースのロティが登場するときには腐葉土のブーケも徐々に感じられ、マルゴーの素晴らしいエレガントでやわらかいタンニンのまろやかな気品ある芳醇感がまさに開いた頃でした。もう大満足です。
熊オヤジさんいわく「ワインは、食材を待ってその時にちょうど良い開き加減に。食材は素材を生かして、自然に近く、ワインと食材が調和してこそ美味しい」と。
なるほどですよね。 デザートは、天童の紅玉ケーキ、デザートワインにおすすめの貴腐ワイン(クラッハーのベーレン・アウスレーゼ キュヴェ '00)をほんの少し。
お料理が終わっても、マルゴーとエリザベートはまだ残っており、それから熊オヤジさんの料理への信念、ワインへの思い入れをうかがって、あっと言う間に2時半となってしまいました。あとはベッドで寝るだけです。
美味しい素晴らしいディナーありがとうございました。
 オーベルジュ・アンドラ・モンターニュさんは、犬連れでは行けなくなりましたが、人のために、美味しいお料理と、素晴らしいワインを通して語り合える、そんな素敵なお宿です。(2006/2/3)
 
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