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網走 - 民宿ランプ

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北海道を旅する時、宿をどれだけ重視するかは、その旅のスタイルによって大きく違うと思います。我が家は結婚前から一人で北海道を自転車やバイクで旅してきたので、それこそ高級な宿とは縁遠く、多くのケースでテントを持参し、無料でキャンプできる場所を探して、できるだけ長期間旅をしていたい、というように思うようなタイプです。

犬を飼うようになってから感じた事ですが、現実にはそんな事を言っていられる程、選択権はありませんでした。きっと1度でも犬連れ旅行をした事がある人なら、よくお分かりの事だと思います。

今回冬の北海道では、昨年の冬、一昨年の夏に勝る程、チープな宿を心がけて計画をしました。こういう旅もあるという事で、できる限り安く、値段相応に私達にとって快適な1泊を得られる場所という意味では、多くの人にとってはあまり参考にならないかもしれません。

冬の北海道では外せない道東エリアを、今回は1泊のみとした関係で、白羽の矢をたてたのは2,800円/泊の素泊まり民宿でした。

北海道は美味しい店がすぐに見つかります。さすがにユースホステルやとほ宿のように、男女別相部屋で2段ベッドだけという環境では、犬連れには不可能といってもいいのですが、今回は和室で洗面所やトイレは全て共同という、暖かく寝られる場所だけでいいという考えでした。しかし嬉しい誤算で、実際期待していた以上に快適でした。

道内初日、日が暮れるまで遊びまわり、真っ暗な中、宿に向けて走ります。場所は事前に調べていたのですが、レンタカーのナビの案内が的確ではなく、遠回りをしながら宿に到着しました。網走駅の近く、線路を挟んでR39の丁度反対側の細い道沿いに、夜だと周辺は民家ばかりで真っ暗になり、民宿ランプの明るい看板は闇に浮き上がっていました。

宿の前にはマイクロバスと小型のレンタカーが1台づつ停まっていて、我が家もとりあえずその横に停めます。歩道を乗り上げるのですが、凍りついた雪がでこぼこになっていて、4WDにスタッドレスでないとちょっと厳しい駐車スペースです。うまく並べられれば5台は停められそうです。

くーを車に置いたまま、まずはチェックインです。しかし人の気配がなく、玄関から入って突き当たりの奥の部屋が、ストーブがあって、食堂のような場所になっていました。声をかけると、宿主のおじさんがそこよりも奥の部屋から出てきました。

その食堂のような部屋は談話スペースでもあり、簡単な朝食も用意してくれるような所らしく、パンフレットや旅情報が沢山ありました。それに一番印象的だったのは、20年前後あたり昔のものらしい、この宿を利用した旅人が送ってきたと思われる写真が、壁のあちこちに飾られていたという事です。まさに私達が一人旅をしてきた時代で、タイムスリップしてしまったようでした。

この宿を調べていた時に知ったのですが、ここは隣にある古い建物を夏はライダーハウスとして簡易宿泊所として提供しているようです。ライダーハウスというのは、素泊まり寝具持参で、無料から2000円弱という低料金で寝る場所を提供してくれる宿泊施設の俗称です。北海道で生まれた宿のスタイルですが、基本的には宿主さんの好意で空いているスペースを提供してくれているものなので、お金を払って宿泊するというものとは違います。私も妻も、それぞれの旅経験の中、雨の中でテントを張るのが嫌な時に使った事が数回あったりします。

私達は2階の一番道路側の角部屋に通されました。押し入れを挟んで、隣の部屋とは音の問題も少なさそうです。扉が薄いので、廊下に声が聞こえそうですが、気になる程のものではありませんでした。

まず荷物を置いていると、宿主のおじさんが犬用に下に敷きなさいと、毛布を持ってきてくださいました。私達は犬連れという事から、レンタカーや宿を汚さないよう、2m四方のネオプレーンのシートを持ってきていてそれをまずは敷いていたのですが、有り難く借りる事にして、クレートの下に敷かせて頂きました。このちょっとした心配りに感謝です。

部屋は8畳の大きさがあり、2方向には2重サッシの窓があります。石油のファンヒーターと、テレビとちゃぶ台があるだけで、布団も重い薄手の懐かしいものです。シンプルないわゆる昔ながらの民宿といった感じでしょうか。

建物自体も直方体のシンプルなもので、トイレは男女共同ですが、洗面所はちゃんと熱湯も出る共同の流しでした。構造上、これは夜冷えるかもしれないとちょっと覚悟をしたのも事実でした。

一旦外に夕食に出て、夜の誰もいない夜の公園でしっかりとくーに排泄をさせます。そして改めて宿に戻り、布団を敷き、明日の準備などをしつつ就寝。くーはいつも通り飼い主が寝るまでは部屋の中をうろついていましたが、明け方にみると、自分のクレートの中で寝ていました。

ちゃぶ台で買ってきたパンと1階で借りてきた湯飲みにお湯でお茶を入れて朝食を取り、その後排泄をさせに妻が近所を散歩させている間に私は荷物を積み込み、軽く掃除をし、おじさんにお礼を言ってチェックアウトです。

くーが慣れない場所だと周囲の音に敏感になってしまいます。他に5部屋ほどある2階の客間と、1階の2〜3部屋にはそれぞれ宿泊客が入っていたようですが、1度だけ扉の閉まる音に怯えて軽く吠えただけで、あとは静かにしていてくれました。周囲の音で吠えてしまう犬は、扉が薄い事もあって、迷惑になってしまいそうなので注意が必要です。

夜の冷え込みも2階という事もあって、殆ど快適に寝る事ができました。久しぶりの畳での就寝で、ちょっと肩がこってしまいましたが、快適な1泊となりました。

網走周辺では、あと大規模なホテルで数部屋限定という犬連れができる宿があったり、1万円以上の宿があるのですが、私達にとってはここで十分という感がありました。また昔懐かしい旅の気分も味わう事でも楽しむ事ができました。

ちょっとハードな旅向けですが、犬連れで泊まれる宿としては貴重な存在です。私はこの値段では申し分ない1泊に感じました。その為、過度な期待はしない方がよいでしょう。宿としてのサービスをしっかり受けたいなら、ほかをお勧めします。

また音に敏感だったり、畳を掘ってしまったりする犬は厳しいと感じます。安い事もあって多くのお客さんが泊まるようで、中には早朝から仕事に出る人も少なくないようです。犬連れ客の方の割合は少ないので、飼い主としてコントロールができる方の利用をお願いしたいと思います。


(2007/5/11掲載)
(東京都、Yさん  くーたら日記
Hill Breeze)


民宿ランプ全景


玄関を中側から


玄関から廊下が続く、
突き当たりが談話室


2階の洗面所


2階の客間をつなぐ廊下


今回お世話になった部屋

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